非侵襲的PGT-Aについて
【背景および目的】
生殖医療をうける患者にとって出産までにかかる時間はとても重要である。
現在、胚移植時の胚選択を改善する目的で、胚の倍数性状態を評価する着床前診断(PGT-A)が提案されている。
近年では、近年、拡張した胚盤胞の胞胚腔に蓄積される胞胚腔液に、DNAで発見されました。
胞胚腔におけるDNAの発見以来、いくつかの研究がPGT-Aへの適用性に焦点を当てました。
本研究の目的は、PGT-A周期および従来のIVF/ICSI周期の両方において、全ゲノム増幅(WGA)で検出される胞胚腔液のDNAの有無が、移植する胚の優先順位を決める有効な方法となり得るかどうかを検証することである。主要評価項目は、ARTを受ける患者にとって出産までの時間が最も重要であることを考慮し、最初の移植後の生児出生率(LBR)であった。
【材料および方法】
2019年1月から2021年12月にかけて実施した前方視的研究である。
以下の2グループに分けて実験を行った。
グループ1:PGT-A正常胚で胞胚腔のDNAが-
グループ2:PGT-A正常胚で胞胚腔のDNAが+
グループ3: PGT-A しておらず、胞胚腔のDNAがー
グループ4: PGT-A しておらず、胞胚腔のDNAが+
【結果】
※以下のグラフは左からグループ1になっています。
出生率に関して、胞胚腔にDNAが含まれていない方が出生率は有意に高かったです。
次に初回移植における出生率を比較したところ、DNAが含まれていない方が有意に高かったです( OR 3.52 )。
胞胚腔の全ゲノム増幅の結果の性能を比較するためにすべての移植で胞胚腔内のDNAが+か-で分けたところ出生率で大きな差が出ました。
【結論】
胞胚腔にDNAが存在するか否かである程度の胚の評価をすることができると考えられる。
胞胚腔にDNA+の場合のPGT-A正常胚の優位性は、栄養外胚葉(TE)生検で評価される正常胚の状態によってもたらされた可能性がある。つまり、TE-正常胚胚盤胞は、形態的には同等であっても、完全に、あるいはほぼ完全にEuploidである胚から得られたものと、ある程度のモザイクを持つ胚から得られたものが考えられる。